柔道整復師資格と理学療法士資格はどのように違う資格なのかについて説明します。
実は、病院のリハビリテーション室や整形外科クリニックのリハビリ担当などで柔道整復師と理学療法士は隣り合わせで患者様のリハビリテーションを行っていたりしています。スポーツトレーナーとして活躍するトレーナーの方には柔道整復師資格を取得している先生もいれば、理学療法士の先生もいます。同じような仕事ができるような感じのする柔道整復師と理学療法士ですが、実は明確な違いがあります。例えば柔道整復「師」と理学療法「士」そうです。「師」と「士」の違いです。同じ医療系の国家資格なのに、「師」と「士」という漢字の違いがあります。
では「師」を使う国家資格を上げてみましょう!
医師、歯科医師、獣医師、看護師、柔道整復師、はり師、きゅう師、あんまマッサージ師、放射線技師、保健師、などが医療系の国家資格でしょうか?他にも調理師、美容師、理容師も「師」を使う国家資格でしょう!
では「士」は、救命救急士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、精神保健福祉士、介護福祉士、歯科衛生士や管理栄養士、栄養士などでしょうか!
この「師」と「士」の使い方として、特別に大きな違いはなく、明確な使い分けがあるわけではないようですが、「師」は独立して開業のできるイメージがあります。医師や歯科医師がその代表例になるでしょう。「士」は病院や介護福祉施設などで医師の指示のもと仕事にあたっているイメージがあります。
前置きが長くなりましたが、柔道整復師には「独立開業権」というご自身で整骨院や接骨院を開業できるという権利が付与しておりますが、理学療法士は病院や介護福祉施設など、医師の指示のもと仕事にあたっています。
スポーツ現場でも同様です。スポーツトレーナーとして活躍している柔道整復師は自身の判断で応急処置など、急性のケガに対応することができますが、理学療法士のスポーツ現場での活躍の場はどちらかというとリハビリやコンディショニング、トレーニングという部分での役割になっているようです。
国家資格の業務範囲には制限がありますので、ご自身が目指す職業にはどちらの国家資格が必要に考えてみることが大切です。
柔道整復師資格とは骨や関節を整復・固定してじん帯や筋・腱等の損傷を改善します。また、柔道整復師資格とは基本的に器具を使わず手技のみで治療を施します。
柔道整復師と聞いても、ピンとこない方も多い事でしょう。
柔道整復師資格というより整骨院・接骨院の先生が取得している国家資格といった方が理解が早いかもしれません。
柔道整復師とは身近で言えば地域の方々から頼りにされている整骨院・接骨院の先生です。
骨折や捻挫、打撲などのケガを手術に頼らず柔道整復の技術(手技)よって施術します。
理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。
理学療法士を一言でいうならば動作の専門家です。寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。関節 可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術を用いて日常生活の自立を目指します。
(関東リハビリテーション専門学校 HPから)
1.柔道整復師と理学療法士になるには?
2.スポーツトレーナーになるには柔道整復師資格と理学療法士どちらがよいか?
柔道整復師と理学療法士になるためには3年制の専門学校に進学するか4年制の大学に進学するという2つのルートがありますが、理学療法士の専門学校には4年制という専門学校もありますので、年限の違いには注意が必要です。
ちなみに柔道整復専門学校とリハビリテーション専門学校でカリキュラムの違いとして大きいものは実習時間といえます。柔道整復専門学校は、3年間で4単位、実習時間(臨床実習)は約180時間です。これは、整骨院・接骨院や介護福祉施設、スポーツ現場などでの実習を各学年で行い、合計で180時間行うことで単位取得となります。
リハビリテーション専門学校では、3年もしくは4年で20単位、実習時間(臨床実習)は880時間以上です。さらに、この臨床実習のうち3分の2は病院か診療所と定められています。
プロフェッショナルを養成するのですから、臨床実習は必須になりますが、理学療法士の臨床実習はかなりの時間を要します。
柔道整復師資格と理学療法士どちらの国家試験受験資格を得るためには、3年以上指定の専門養成施設で指定科目の履修をすることが条件となっていますので、柔道整復師資格と理学療法士の資格を取得するためには、それぞれの養成校への進学が必要になります。
専門学校と大学のどちらへ進学した方がよいか?という点では3年と4年の違い、学費、国家試験合格率、年収などについて「柔道整復師を目指すなら大学と専門学校のどちらがよいか」or「整骨院の先生になるには大学と専門学校のどちらがよいか」というページで説明しておりますのでご参考にしてください。
将来、スポーツトレーナーを目指す方にとって国家資格取得は今や必須事項であると言っても過言ではありません。しかしどちらの国家資格を取得すれば、よりスポーツトレーナーとして活躍できるか?選手をサポートできるか?という点では、非常に悩ましい事だと思います。
そこで、柔道整復師と理学療法士がスポーツ界におけるトレーナーとして、どのように選手をサポートしているかという点から柔道整復師と理学療法士の職域と主な役割について比較をしていきたいと思います。
柔道整復師は「身体のスペシャリスト」です。
急性外傷(骨折・脱臼・捻挫・打撲等)に対処していくことが主たる仕事です。
スポーツの競技中に起きたケガやアクシデントに迅速に対応できます。
ですので、試合中に発生した外傷(ケガ)に対応し、応急処置をする事が自身の判断できる資格です。また、スポーツ現場、競技に戻すまでのリハビリテーションやスポーツ障害の予防などにも対応することができます。
理学療法士は前途したように「動作のスペシャリスト」です。基本的な動作能力の回復を図るためのリハビリテーションを行うことが、主な仕事ですので、スポーツ選手やアスリートのケガからの回復時には、大きな役割を果たすことができます。しかし、ケガへの対応やトレーニング指導などスポーツ選手やアスリートのニーズに応えることはできません。
もちろん、理学療法士資格を取得するうえで得た専門的な知識や技術を活用することはできますが、スポーツトレーナーとして、選手やアスリートのニーズに応えていくには、理学療法士資格とは別にスポーツ選手やアスリートのニーズに対応するための知識やスキルを必要とします。スポーツ選手、アスリートののニーズに対応できる知識やスキルを身に付けていれば「スポーツトレーナーの知識やスキルを持った理学療法士」として、スポーツトレーナーとしての活躍が可能になるかもしれません。
このように、スポーツトレーナーといっても資格の特性や技術によって選手やアスリートへの関りは違ってくるものです。しかし、スポーツトレーナーとはケガやコンディショニングへの関りだけでなく、テーピングの技術、ウオーミングアップやクールダウン、ストレッチやトレーニングの指導等いう役割も持っているものです。
関東柔道整復専門学校専門学校では、スポーツトレーナー養成コースを開設し、柔道整復師の国家資格とスポーツトレーナーとしての「スキルと知識」で国家資格を持ったスポーツトレーナーの養成に取り組んでいます。
「柔道整復師と理学療法士の違いが知りたい」「スポーツトレーナーになるには、柔道整復師の資格と理学療法士の資格どちらがよいか」と進路に迷うみなさん「柔道整復師」の魅力と国家試験対策、接骨院・整骨院の仕事を詳しく知ることができる関東柔道整復専門学校のオープンキャンパスにご来場ください。